人間の皮膚の表面は皮脂膜でおおわれていますが、この膜はすぐ下の角質層とともに、水や油脂を含んで皮膚を保護する働きをもっています。これを″保護膜″と呼んでいて、外からの化学的・物理的刺激には防壁となり、また表皮に含まれているメラニン色素は、紫外線の刺激から守ってくれます。
つまり、人間の皮膚は、たとえまわりの環境が少しぐらい乾燥したり、日光が強くても、自分でうまく調整できるような仕組になっているのです。しかし、現実には、私たちの肌はさまざまなトラブルから完全に免れているとは到底いえません。
それどころか、トラブルの数はいっこうに減らないというのが実情です。一体、どうしてなのでしょうか?大きな原因として考えられるのは、次の三つです。
すなわち、栄養クリームや酸性化粧水、また油性化粧品の多用、明治以降から顕著になってきた北半球全体の高温化傾向、日照時間(紫外線、ならびに赤外線=熱線)の伸長。これらはすべて、肌にとっては忌まわしい大敵(外敵)ばかりで、これらの外敵によって肌がいじめられているために、私たちの皮膚の「ホメオスターシス」が正常に働かなくなっているのです。
爪もまた角質細胞からできている爪もまた角質からできており、爪板は、毛表皮と同じ角質細胞です。ただ、皮膚表皮では鱗片状になっていて、はがれるのに対し、爪では角質片が密に結合していて、構造的には、毛と同じように、ハードケラチンに属しています。
その下の乳頭層には、神経や血管が入っています。爪板をつくっているのが、爪の後下方にある爪母です。
爪にとっては、もっともたいせつな部分で爪の生えぎわに位置し、皮膚におおわれているその部分には毛細血管が走っています。色は混濁、皮膚表皮のマルビギー層(基底細胞・有練細胞・願粒細胞層)に似た細胞からできており、ケラトヒアリソ穎粒を多くもっているのが特徴です。
また、爪半月(いわゆる″小爪″)は、十分に角質化していないもので、白く見えるのは、光の反射によるものです。さて、一人前になった皮膚の水分量は、○○%。
脂肪量は○○%。水と脂の含有比率は、約一0対―となります。
これがベストの状態で、このバランスが崩れ、水分が不足がちになると、爪はとたんに脆くなる性質をもっています。 マニキュアや除光液にはどんな問題があるか?そこで問題となるのが、″爪を美しく見せる″マニキュア(また除光液)です。
まずマニキュアですが、一例を挙げれば、その成分は、セルロイド=8%、酢酸アミル=20%、酢酸エチル=65%、アセトン=5%、亜麻仁油=2%……。このうち、酢酸エチルやアセトンは、乾燥させてセルロイド状にし、ビンクや赤などに色づけしたものがむらにならないよう、平均に光沢を出すために混合されているものです。
爪にとって好ましくないのは、その蒸発性(揮発性)です。というのも、酢酸エチル系の成分は、蒸発するときに、たいせつな爪の水分を持ち去ってしまうという性質を内包しているからです。
この点は、除光液も同様です。除光液もまた酢酸エチル系が主成分となっていますから、マニキュアを落とすときに、爪の水分を持ち去ってしまいます。
ですから、マニキュアを落としたあとは、良質の下地油で爪を潤わせるとか、乾きにくい化粧水を爪に浸透させるなどの配慮をする必要があるわけです。もちろん、マニキュアは少量使用し、早く除去することは、いうまでもありません。
髪の毛の生えている頭皮、俗にいう地肌も、要するに皮膚であり、その組織は身体のほかの部分のそれと基本的に異なるところはありません。ただ、頭の場合は、皮膚が薄く、大きな頭蓋骨がすぐ下にあるために、他と異なって見えるというだけのことにすぎません。
この頭皮には、いうまでもなく髪の毛が生えています。その数、計約一〇万本。
そしてその一本一本が一日に○○の範囲で伸びてゆき、ほぼ四〜五年で新しい毛と入れ替わるというのが、髪のスケジュールです。といっても、もちろん、四〜五年目のある時期に、一〇万本がいっせいに入れ替わるというわけではなく、一本一本が、それぞれの四〜五年のスケジュール内で、新しい毛と入れ替わるということです。
ともあれ、その、古い髪の毛と新しい髪の毛が入れ替わるまでのプロセスを、以下に見てみましょう。毛の根元には″毛乳頭″(ニプル)という、いわば「髪の毛の生産工場」があります。
この″毛乳頭″は、皮膚の一部で、髪の毛(厳密にいえば髪の毛の榔かは、この毛乳頭にすっぽりと長烏帽子をかぶせるようなかたちでくっついています)こうしてくっついている毛が、やがて寿命が近づいてくると、毛の内部の髄質と毛乳頭の間に気泡が生じ、その結果、毛球(毛根の部分)の、毛乳頭への固着力が衰えて頭皮の表面に向かって移動しはじめます。この状態の、古くなった毛が、通称「○○ヘアー」。
そして毛根部はほうき状と化し、色素も薄くなっていきます。一方、古い毛が離れ去ったあとの毛乳頭は扁平状となり、そこからは再び新しい毛が生えてきます。
これがしだいに伸びて、ついには入れ替わって、新しい髪の毛が頭皮に現われるというわけです。この際、髪の毛をつくるのに必要な蛋白質や脂肪、含水炭素、ミネラルなどが、毛乳頭に毛細血管を通して順調に運ばれていれば、毛をつくる工場である毛乳頭も活発に生産活動を行ない、健康で強い毛を次々と送り出してくれることになります。
ちなみに、正常な状態の大人で、一日に抜ける髪の毛の数の平均は、二十〜三十歳なら約九〇本、五十〜六十歳なら約一五〇本。ただし、抜けっぱなしというわけではありません。
年令を問わず、二十本程度におさえることができますので、ご安心してください。AESなど合成洗剤系のシャンプーが頭皮と髪に与える影響さて、右に述べてきた髪の毛の状態は、頭皮その他の働きが正常に行なわれている場合に限っての話です。
この働きが変調をきたすと、当然、いろいろな髪のトラブルが生じてきます。フケ、脱毛、若ジラガ、若ハゲ……などがそうです。
しかも、これらの症状は、年々ふえることはあっても減ることはないというのが実情なのです。なぜ、そうした髪のトラブルが絶えないのでしょうか。
非難を恐れずにいえば、そうなる原因の多くは、AESなど合成洗剤系のシャンプーがつくっているといってさしつかえありません。このシャンプーは洗浄効果が高いぶん、頭皮の脂も過度に取り去ってしまっているのです。
頭皮の水分は、ほかの身体の皮膚と同様、脂と汗とで保たれているものです。そのうちの脂を無理に取り去ってしまえば、残るのは汗だけですから、頭皮はどうしても乾燥します。
同時に、頭皮表面の角質片同士をくっつけていたノリの働きも、脂を取り去ることによって失われますから、角質片はとどまっていることができなくなり、パラパラとはがれ落ちることになります。この、パラパラとはがれ落ちる角質片が、すなわちフケであり、頭皮が乾燥することによって寿命を縮められて、予定よりも早目に抜け落ちていく毛が、すなわち抜け毛であるわけです。
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